産卵後11日が経過した受精卵に接種

冬になってインフルエンザが流行してくると、予防接種を行います。

この予防接種に使われているのは人工的に作られ、弱毒化されたインフルエンザウイルスです。

弱毒化したり無毒化したウイルスを体内に接種して、本来のインフルエンザウイルスの攻撃に備えて予め身体の中に抗体を作っておくことをワクチン接種といいます。

それでは、このワクチンはどのように作るのでしょうか。

ここでは、インフルエンザワクチンの作り方を紹介します。

まずは、元となるインフルエンザウイルスを選択します。

インフルエンザウイルスには、様々な種類があり、冬ごとにその種類が異なることがよく知られています。

今年の冬にどの種類のインフルエンザウイルスが流行するかを、世界保健機関(WHO)が予測して公表します。

その他にも国内の流行動向や各専門機関からの情報を元に、どのインフルエンザウイルスのワクチンを作るかを決定します。

インフルエンザウイルスの種類が決定したら、そのウイルスを産卵後11日が経過したニワトリの受精卵に接種します。

受精卵の中では、ウイルスがどんどん増殖していきます。

この時に使われるニワトリは、ワクチン製造の6ヶ月前から厳正な衛生管理下で育てられています。

さらにウイルスを接種する受精卵も、厳しい品質検査に合格したもののみが使用されます。

一定期間ウイルスを増殖させた後で、受精卵からウイルスのみを分離、精製します。

その後ウイルスを薬品(エーテル)処理によって分解します。

これによってウイルスは不活性化(無毒化)され、ワクチンとして人体の中に入ってもインフルエンザの症状を引き起こすことはなくなります。

不活性化されたウイルスは有効成分が集まり、電子顕微鏡で観察すると花びらのような形になっていることが分かります。

有効成分以外の夾雑物を取り除き、さらに精製します。

その後、厚生労働大臣が定める「生物学的製剤基準」に基づいた品質検査が行われます。

厳しい品質検査に合格したものだけがさらに国家機関である「国立感染症研究所」で「国家検定」を受けます。

製造メーカーの試験と国による試験の両方の試験を合格したもののみが、その年のインフルエンザワクチンとして病院などの医療機関に出荷され、予防接種に用いられます。

このようにワクチンは製造過程から製造後の品質検査まで、非常に厳しい品質管理の下で作られています。

このような日本の製造基準は、世界的に見ても非常に厳しいものとなっています。